HAL 東京 CG 学科 CG アニメーション専攻2年制過程
2023 年度卒業生 Sさん
留学先 : Vancouver Institute of Media Art
11月に入って気温がだいぶ下がり、少しずつ年末モードになりつつありますが授業は相変わらずハードでした。
すでに2名退学してしまいましたが、残ったクラスメイトと気持ちを維持しながら Term1を無事に終えました。
授業に関しては9月と10月に学んだことを活かすような課題が出され、真新しい知識というより実践的な作業が中心でした。
限られた時間を有効活用したいと思い、先月とはアプローチを変え、課題に時間をかけすぎず、自主制作と自習時間を増やすことを目標にしました。Term 2から新たに Houdini と Unreal Engine など現在業界で最も注目度が高いソフトのクラスが始まるため予習を進めたいと思ったからです。また、自身の専門分野を確定し、デモリール制作に向けての技術力向上と下準備をしたいという考えもありました。
授業外では、ありがたいことに、日本人の卒業生で現在業界で働いている先輩アーティストたちと繋がり、作品の添削をして頂くことになりました。またバンクーバーで同じ業界を目指す学生や社会人の方々との飲み会に参加し、交流を深めました
3D の授業では Maya と ZBrush の併用で昆虫のモデリング、リギングとアニメーションを行いました。
ZBrush のインターフェイスに慣れるのに苦戦しましたが、感覚的に操作できることが利点で有機的なものの制作に有利だと改めて感じて、今後、より積極的に ZBrush を活用して行きたいと思いました。
コンポジッドの授業では引き続きカメラトラッキングと合成メインの授業が進みましたが、カメラの理論やカラーマネジメントなど雑学の時間もあって、技術力だけではなく、あまり深掘りできていない概念の理解の必要性を痛感しました。また別の授業では、画像にあるように業界のジュニアアーティスト (新人) が任されると言われている Reconstruction について教わり、実際の作業も行ないました。Reconstruction とは簡単に説明すると、別々の会社や作業担当が扱った素材を一つにまとめて再構築し、元の画を再現するという作業です。日本の CG 業界でも同様だとは思いますが、多数のプロダクションが作業を分担して作品に関わるので、契約上の都合などで各社の納品形態が統一されていなかったり、モデルや素材の仕上がり(特に色調など)が微妙に異なったりするようなので、そのような素材をコンポジットでどうまとめて整理をすべきかについて学びました。
エンバイロンメント・アーティスト(Env)になることを決め、フォトリアルなオブジェクトを自主制作中です。モデリングの力を底上げしつつ、テクスチャや質感表現、ライティングとレンダリングをさらに極めることを今後の課題にしています。 ちなみに Env は日本でいうモデラーと同様のポジションですが、こちらでは Env=空間作り (モデリング、モデルの配置、場合によりテクスチャ/ライティングも行なう)であるに対して、モデラーはオブジェクト制作のみに特化した職種です。モデラーは相当な技術がない限り、需要があまりないようです。
・課題4つ
1昆虫のモデリング~リグ / アニメーション~レンダリング
2NUKE トラッキング / 合成
3NUKE 合成
4Photoshop 絵コンテ制作
・ 学習ソフト : Maya、Substance Painter、 NUKE、Photoshop、Z-Brush ( 入門 )、Houdini
・ 作業時間 : 60 時間 (※授業時間除く )
3カ月目にして体調をかなり崩してしまい、また伳鞘炎や手首の負傷などもあって気持ち的にも下がってしまい、作業時間は先月の半分になってしまいましたが、振り返ると総合的に様々なことを達成できていてよかったです。体調管理を第一にしつつ、自主制作を中心に Term2 を楽しみたいと思います。
☆☆☆☆☆☆☆ 校費留学制度 ☆☆☆☆☆☆☆
HAL東京ではグローバルな人材育成を行うための校費留学制度を設けています。
本学卒業後にアメリカの大学や専門学校に留学する制度で渡航費・入学金・学費1年分を学校負担で斡旋するものです。
今後も不定期に校費留学生として学ぶ学生からのレポートを紹介します。